親が我が子に今までに習わせてきた「習い事」は、水泳・英会話・ピアノがベスト3でしたが、今後お子さんに習わせたい「習い事」のベスト3は、プログラミング・理科実験・書道だそうです(ベネッセ調べ)。

 これらの「習い事」をご覧になって、どのように思われたでしょうか。大人になったとき、その大切さに気づいて慌てて習得しようとしても、すでに手遅れだと感じるものばかりではないでしょうか。水泳は体を鍛えておくことで健康な大人になるために、英会話やピアノも大人になってから始めたのではもはや「後の祭り」と感じる能力です。

 そういう意味で言えば、子供の時の習い事は、大人になってから慌てて習得しようとしても、すでに手遅れだと感じる能力を選ぶのが良いように思います。「プログラミング」などと比べると、とても地味な感じもしますが、江戸時代では「読み・書き・そろばん」が寺子屋の定番でした。現代風に言い換えれば、「読解力・論理的な思考と記述力・算数や数学の能力」がこれに当たるのではないでしょうか。これらの能力は、一朝一夕では到底鍛えられるものではありません。

 AIやロボットの出現によって、15年後には今ある職業の半分が消えるとも言われています。お子さんが将来、社会の大きな変化に適応した新たな資格や能力を習得しなければならない場面に直面した時、その基礎となる力をお子さんに持たせてあげたいと願うのが親心ではないでしょうか。その能力こそ「読解力・論理的な思考力と記述力・算数や数学の能力」であると私は思います。

 そう言えば、大学入試の新たな「共通テスト」や公立中高一貫校の「適性検査問題」も、「思考力・判断力・表現力」を求めている点で通じるところがあります。プログラミングや理科実験はこれらの基礎力を前提にした習い事です。

 近頃の高度化した劇場型「オレオレ詐欺」の様な犯罪に巻き込まれることを避けるためには論理的な思考力は欠かせません。また「仮想通貨」の様に今までにはないアイデアが出現する時代、その仕組みを理解し運用する力を養うには読解力が必要でしょう。現代社会では、文系だから数学が苦手…では済まされなくなっています。もはや、経済学部や経営学部でも数学を苦手とする研究室に所属すると就職に不利となる時代でもあります。大学の新たな学部編成でも、現行の文系学部を改変して文理系学部を新設する動きが目立ちます。統計学をはじめ、数学的なアプローチが求められる場面は今後増えることでしょう。

 かつて塾は学校の補完的な役割を担ってきました。それは現在でも変わりませんが、新たにお子さんに「読解力・論理的な思考と記述力・算数や数学の能力」を養成する役割をも担っていかなければならない…と私は考えています。公立中高一貫校の適性検査対策を通じて得た知見を、公立中高一貫校を目指さないお子さん(小学生)にも実践しています。

                  

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