新年度に向けて思うこと

 今年も中3生と高3生が卒業した。中3生は、最後の最後まで気の抜けない状況だった。社会や理科、漢字の一問一答テストの結果がイマイチだったからだ。一度習ったことでも、暗記するのがいかに難しいものか…。そう言えば、中学校でも、夏休みに英単語100語を覚えて、夏休み明けにテストをすることがなくなったのも気になる。2、3年前の中3生であれば、1、2回で合格する生徒が多かったのに、今年は3回以上テストしてようやく合格する生徒が増えた気がする。それでも、学習した成果は神奈川県公立高校入試の社会や国語の得点アップとして大きく開花したようだ。

 4月からの新指導要領に基づく中学校の新しい教科書では「思考力・判断力・表現力」を重視するとのこと。今まで高校1年で学習してきた単元の一部が中学の教科書に降りてくる。それと同時にタブレットやノートパソコンが一人一台配られることに…。英語については、小学5・6年生で週3時間は学習済みとの想定の元で作られた新しい教科書となる。特に、古い教科書を使って学習してきた新中3年生にとっては、そのギャップはかなり大きい。学校現場でも新中3生に新しい教科書(ぶ厚い移行措置冊子付き)でどう教えたらよいのか混乱状態だと聞く。でも、神奈川県の公立高校の英語の入試問題は、何年も前からすでに新課程を意識して難易度(英検3級〜準2級レベル)に引き上げられたままになっている。

 一方、高3生は、塾に入る前の高1生の夏には356人中150位程度の成績であったが、その後の学習の成果で、「中間・期末テスト」で得点を上げて、高2生の後期には356人中7位になっていた。その結果、学校推薦型選抜(旧指定校推薦)で希望の大学の希望学部に合格した者や部活動に明け暮れて本格的に学習したのが高3からだった生徒も総合型選抜(AO入試)で見事志望校に合格を果たした。

 つくづく思うのであるが、世の中の御父母は中学校の成績向上のためにお子さんを塾に通わせている方は多いのに、ゴールである大学受験を目指す高校生の通塾率が意外と低いのは残念なことだ。大学実績もあまり出てない中堅高校こそ、通塾する効果が大きいことを知ってほしいものだ。中堅高校の生徒は、あまり熱心に勉強しない。将来を見据えて日々の学習に取り組んでいる生徒は学内に2割程度しかいないと聞く。部活動やバイト、スマフォ、ゲームに熱心で、「私は文系だから数学や物理は捨てた」とか「ぼくは理系を目指すから古典や日本史はいいや」とか言って自分を甘やしている生徒も多い。「中間・期末テスト」の1週間前になると、先生から「ここから60点分出るプリント」が配られたりするのにもかかわらずだ。定期テストの問題レベルもそれほど難しくないので、通塾して継続的な学習をするだけでクラス順位や学年順位は大幅に上がる。

 トップ高校や2番手高校の生徒が塾や予備校に通って一般入試で大学に合格するのもよいが、中堅高校の生徒は、学校内の成績さえ上げれば、学校推薦型選抜や総合型選抜を有効に活用して希望の大学、学部に合格・進学できることを知っておいて損はないでしょう。

 コロナ禍の中で、リモート授業やら体育祭、文化祭、修学旅行もなかった中学校や高校も多かった今年度。ワクチン接種も始まり、東京オリンピック・パラリンピック大会も様々な制限はあるものの開催されようとしている。4月からは、停滞局面から新たに社会も経済も始動するのに合わせて、それぞれが学習を始めよう。

 

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