2月27日、神奈川県公立高校の合格発表日でした。本年度も無事第一志望校に合格することができました。私立法政二高に書類選考で早々合格して進路を決めた生徒をはじめ、公立高校を第一志望としている生徒全員、喜びの笑顔で弾むように報告しに来てくれました。こういう時こそ、塾をやっていてよかったと思う時でもあります。

 合格した生徒の「開示得点」を見ると、今年度は数学と社会が難しかった様です。逆に国語・理科は順調に得点を伸ばしていた様です。実際に、私も神奈川県の公立高校入試問題5科目をすべて解きましたが、数学は60〜70点ぐらいまでは例年通りの実力で解けそうでしたが、残りの20〜30点分は「相似」を駆使した問題づくりになっており、結構考えました。これではトップ高受験生も、高得点を取るのは難しかったのではないでしょうか。一方、理科は昨年度までは見られなかった拍子抜けするほど基礎的な問題が散見されたのでびっくりしました。ともあれ、問題解説は他でもしていることなので、この辺でやめましょう。

 今年度は昨年度と違い、中3の10月頃に入塾して来た生徒がおり、大変でした。こんな理解度で入試に間に合うのか私自身も心配した生徒でした。入塾直後の模擬試験では、志望校の合格可能性は「E判定」でした。数学は中3はじめの「因数分解」からして理解が怪しく、理科・社会の記憶は淡く、当然知っているであろう知識がない状態でした。  まずは毎日塾に来させて「学習習慣」を身につけさせると同時に、基礎力の充実に力を入れました。それと同時に、理科・社会・漢字の暗記テストを毎回実施しました。とにかく『覚える』という行為そのものの経験が乏しく、20問程度の暗記テストを1回でクリアすることができません。下手をすると8〜10問で諦めてしまうこともあり、忍耐と辛抱の連続でした。

 入試は思考力も大切ですが、必要とする知識が頭の中に定着していなければ、問題が何を問うているのかもわかりません。例えば、「40℃のときのこの液体の溶解度を求めよ」という設問に対して。「溶解度」という用語の知識がなければ、問題の意味すら分からないでしょう。特に、知識を問われる理科や社会では必須のことです。そのための知識チェックの暗記です。「よくここまで学校の先生は本人を放っておいたものだ…」とも思いましたが、入塾したからにはこちらの責任ですから、11月、12月とこの様な日々が続きました。

 一つのことでも1ヶ月ぐらい継続して取り組んでいると、「変化」が現われてきます。学習習慣も身につきます。2週間程度ではけっして現われてはきません。本人には気づかなくても、こちらが見ていると気づくものです。

 また唯一の救いは、本人が自分の不甲斐なさを自覚し、こちらの指導に懸命についてきてくれたこと。周りの同塾生たちの温かい励ましがあったことです。受験勉強は一人で乗り越えるには「つらい」ものがありますが、志望校は違っていても、同じ目標に向かって励まし合う仲間と一緒に頑張ることは、本人にとってもよい刺激になった様です。これを称して「エナジー効果」というのかもしれませんが、少人数集団指導のメリットです。彼にとっても毎日塾に来て、やはり毎日頑張っている同級生がそこにいたからこそ、頑張れたのでしょう。

 その甲斐あって、1月の模擬試験では合格可能性で「B判定」が取れるまでになりました。本人もこの結果に気を良くして、さらに一層の努力に励んだ結果、併願した私立高校は当然として、見事、第一志望の公立高校に合格できました。私もホッとしています。ここで頑張った約4ヶ月の経験は、本人にとっても将来きっと役に立つはずです。               追伸;親御さんから感謝の手紙がをいただきました。入塾中は大変お世話になりました。先生方のわかりやすい授業とご指導のおかげで、無事、公立高校に合格する事ができました。本当にありがとうございました。

                                      合格 おめでとう。本当に良かった!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です