2〜4月になると、一斉に生徒募集を勧誘する塾のチラシが各家庭にこれでもかと言わんばかりに配布されます。様々な入塾特典をチラつかせて勧誘合戦に入るのです。通塾時期のお子さんを抱えている親御さんも、それに同調してしまうことも多いことでしょう。しかし、お子さんにとって今が通塾するのに最適な時期でしょうか。塾人としては、4月から入塾して欲しいのはヤマヤマですが…。

 たとえば、新中1生にとって、中学生になると同時に塾に入る必要があるのでしょうか。4月は不慣れな中学校生活で気を使い、まだ小学生の体力しかないのに部活動も始まり、帰宅すると夕食を食べてテレビを見ながらウトウトし出すお子さまもいることでしょう。5月の連休明けぐらいになると、学校生活にも慣れ、友達もできて精神面も安定し出します。体力面で言うと、中学1年生の夏休みぐらいにお子さんも「中学生の体力」になります。そうなると、夕食後にテレビを見ながらウトウトすることはなくなります。塾の授業は夜7時から設定されていることが多いので、通塾に適した体力になります。

 お子さんにはそれぞれ「レディネス」というものがあります。つまり、通塾を始めるのに適した時期のことです。お子さんの「レディネス」がまだ整っていないのに、親が勝手に「先回り」して入塾させても、本人の「やる気」が伴わず、通塾の効果があまり期待できないケースもあります。

 塾に通っているのに、よく塾を休んで友達と遊びまわったり、塾の授業中にスマフォ画面をこっそり見ているお子さんを見かけることがありますが、そういうお子さんの場合、やはり本人が通塾の必要性を感じる前に、親が勝手に通塾を申し込んだために起こる現象でしょう。

 一番よい入塾のタイミングは、本人自身が「塾に通いたい」と言い出す時です。その時に通塾を始めれば、本人のやる気も上昇するので、通塾の効果も良好のはずです。中には、次の定期テストでいきなりブレイクするお子さんもいます。よく言われていることは、通塾を始めると、まず暗記科目である理科・社会のテストの点数が上がり始めます。その後に日々の学習の積み重ねが必要な英語・数学の得点が良くなるケースが多いということです。入塾してすぐに英語・数学がよくなるお子さんは、自分自身でもそれなりに学校の宿題やテスト対策ができている場合に限られます。簡単に言うと、学校の成績が「2」や「1」のお子さんの場合、学習習慣を身につけさせながら、欠落している基礎力(場合によると小学生の復習も含む)の養成をはかるため、成績アップまでには時間がかかるということです。逆に成績「4」のお子さんの場合は、指導法によってはすぐに成績「5」になることもあると言えます。

 最近では、神奈川県の公立高校の入試問題が難化したお陰で、学校の「定期テスト」も難化傾向にあります。記号選択問題や穴埋め問題が大幅に減って、記述問題が多くなっています。そうなると、通塾の効果が出始めるまでに時間がかかる場合も出てきました。

 ただ、オク手のお子さんの場合、本人の申し出を待っていると学習状況が「手遅れ」になるケースもあります。まずは、初めての「定期テスト」の様子を見て判断してもよいでしょう。特に、学校の提出物がきちんと期限までに提出されているのか、テスト2週間前ぐらいから対策学習が自分でできているのかを確認してから、通塾を始めても遅くはないかもしれません。

 本当に考えが幼く困ったお子さんは、定期テスト3日前から部活動が「休み」となるのをいいことに、友達と遊びに行ったり、テスト期間中も午前中だけ学校でテストがあることをいいことに、午後は友達とカラオケに行ってから夜に塾に来るお子さんです。