まずは「大学入試センター試験」6割レベルを目指す

 夏休み中は、高校3年生は2つのグループに分かれた。1つは大学受験を実力(学科試験)で突破しようとする生徒たちと、もう1つは、推薦入試やAO入試で突破しようとする生徒だ。前者は、毎朝9〜10時から夜9〜10時ごろまで塾で、受験3科目の学習に励んでいた。お陰で、大学センター試験で5〜6割まで得点が取れる様になってきた。ただし、油断すると4割しか取れないという回もあって、実力はまだ不安定だ。しかし、長時間学習するクセがついたことは、今後の「実力充実期」、そして「追い込み期」の基礎には十分になる。

 学習した内容は、受験基礎の繰り返しである。自力で解き、復習する時間を多く取り入れて、1つの問題集を2〜3回解き直させた。1回目は解答・解説を読まなければ解けなかった問題でも、2回目、3回目と時期をずらせて解き直すことでしか実力は身につかない。大学入試センター試験問題は、その成果を自覚するために週に1〜2回解くようにさせた。英語は問題数が多いので、センターの問題を解く時は大変そうであった。国語などは、センターの問題を論説文・小説文・古文と3つに分割して、日々取り組ませた。9月中旬には河合塾の全統模試にチャレンジしてどれだけ得点できるか楽しみである。この時期の模試までは、大学入試センター試験を意識した問題構成になっているからだ。10月以降の模試は、大学入試センターレベル、MARCH私大レベル、国公立大レベル(記述)と3つに分れるからだ。

 推薦入試、AO入試を目指すもう1つのグループは、オープン・キャンパス参加後に、何枚にもわたる志願理由書800字〜3000字の作成や、課題(大学側が指定した本を読んで、主張や感想をまとめるもの、あるテーマについて調べて、インタビューして、それをA4用紙8枚のワープロ書きにまとめるたり、パワーポイントで編集するなど)の準備に追われた。

 志願理由書や課題は、その意図を十分に理解した上で、何回も添削指導しながら「完成形」をめざした。最初は、幼稚な内容であったり、生徒自身が説明できなかった項目もあったのだが、あれやこれやと大学のパンフレットを参照しつつ、生徒と議論しながら文章にしていく。その過程そのものが「面接対策」にも繋がる。自分も悩んで「まとめ」ていったものだけに、書いた内容をただ暗記するだけでなく、面接でも自分の意見として自信を持って話せるようになるからだ。

 また、小論文試験対策では、過去問を読んで、出そうなテーマ(環境、文化、科学技術、… 専門分野など)をこちらで選定して、それについての小論文を書かせる。添削して、さらに推敲する。そんなテーマが8〜10個できると、あとはどんな内容であろうと、習得した8〜10個のどれかを鋳型にして、そのどれかに話を流していくようにすることで対応できる。代表的なテーマさえ押さえておけば、無数に練習する必要はないのだ。

 こうして、あさかぜ学習塾の高校3年生の夏休みは過ぎた。今は、各高校で「文化祭」が盛んに行われている「ホネ休み」といったところだ。その間、われわれ講師は、中学生の「前期-期末テスト対策(2学期制)」の真っ最中である。講師側の休める時間はあまりないようだ。

 

 

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