神奈川県公立高校入試は、年々難化傾向が続いています。これは、「ゆとり教育」の反動と他のアジア諸国の経済成長と関係しています。 インドやタイ・ミャンマーなどの経済成長と日本企業のアジア進出により、日本の企業が求める社員像が、「表現力・判断力・共働力」のある若者を求めていることが関係しています。国際化の進む世界、AIやロッボットの活躍が期待される近未来に対して、日本人の働き方が変わってきます。
「10年以内に、農家の人が田んぼに足をはこばなくても、米作りができるようになります」(株)KUBOTAが種まき、水やり、稲刈り、農薬散布等、すべてを農業機械が行うと発表しました。2025年までに完璧な自動翻訳、通訳が可能になるようです。英語だけでなく、韓国語、中国語、フランス語もOK。日本の英語教育はどうなるでしょうか。4,5年以内に高速道路、及び一般道路でも、運転手がいらない自動運転の世界が現実化されます。タクシー・バス・トラックの運転手は不要になるのでしょうか。上空を飛ぶドローンは物を配達するだけでなく、火災や交通事故という異変を自動的に知らせるシステムにも近々完成するそうです。AI(人工知能)が世界トップ級のチェス・将棋・囲碁棋士を次々と倒しましたが、医療分野でも難しい治療に貢献できる領域を広げるようです。どうでしょうか。10年後の日本が見えましたか?
今ある職業の半分が10年後にはAIやロボットに置き換わられてしまう可能性が出てきたのです。また、地球の裏側で起こった事件が、日本経済にも大きく影響してくる時代です。そんな中で、現在の知識偏重の大学入試が対処できるでしょうか。孔子の教えを重視した江戸幕府が、外国の脅威によって明治維新に変革されたのとよく似ていませんか。 そこから、大学入試や高校入試も「表現力・判断力・共働力」を重視した問題へと変化しつつあるのです。この傾向は神奈川県だけのものではなく、全国の都道府県の高校入試問題に影響を与えています。高校入試問題も大学入試問題も共に、中高一貫公立学校の適性検査問題に近づいています。ちなみに、大学入試改革の模範問題も、適性検査問題とそっくりです。科目横断問題や資料グラフの読み取り問題の増加も、この傾向に沿った改革の一貫上の問題なのです。