12月のこの時期になって中3生が増えた。11月の学校の3者面談で、今の成績では私立高校1本です…と言われて、初めて親御さんが動いたようだ。成績に1があるからだ。神奈川県の私立高校では、事前に学校の成績(主に中3の2学期)で進学できるかどうかが決まる。実技科目でも成績1があると、私立高校は嫌がる。そのため、急遽、当塾の内部生の友達紹介で入ってきた。本人は案外のんびりしている。「なんとかなる…」「周りの大人がなんとかしてくれるはず…」と感じているのかもしれない。
この時期、高校入試のために「理科・社会の一問一答テスト」を毎回授業前に実施している。生徒に理・社の暗記を任せると「やってる、やってる」とか「○○ページまで進んだ」と口では言うが、実際には何もしていないケースもある。やっていない生徒ほど、終いには「こんなの暗記して意味ないよ」と言い出す始末だ。
だから、家で覚えて来てもらって、授業前に毎回一問一答のテストをする。8割取れなかった生徒は、授業後に再テストをする。内部生は3、4回は再テストをする者も出るが、12月から入った生徒は、もう15回以上テストしているのに、一度も合格できていない。家で学習する習慣がなく、覚えようとはしない様だ。親御さんに聞くと「うちの子はやればできる子なんです」と言う。では。いつやるのですか…?と聴きたくなる。
理科・社会を単なる暗記科目と受け取っている生徒もいるが、神奈川県公立高校の入試問題はこれでは歯が立たない内容だ。どの問題も文章や条件文を読まなければ答えられない問題作りがされている。いわゆる、思考力・判断力・表現力が問われる入試だ。2020年度から始まる大学の共通テストに合わせた問題作りがされている。これは、神奈川県だけではなく全国47都道府県の高校入試問題も同様だ。
だからでもあるが、1〜2週間程度必死に暗記したからといって、入試で得点できるまで知識量が溜まることもないのだ。「これだけ覚えたのに、あまり模試で役に立たなかった」とか「覚えたところがほとんど出ていなかった」と答える生徒のほとんどが1〜2週間程度覚えた者たちである。
最低でも1ヶ月間は継続して暗記に取り組むことでしか、成果は得られないと言っても過言ではない。できない生徒は、それが我慢できないのか、友達の助言に合わせて問題集や学習法をコロコロ変えてしまう。粘り強くコツコツ1ヶ月継続して取り組んで初めて得点につながることを実感できた生徒の合格は近い。また、1つの問題集を愚直に反復して繰り返すことも合格に近い生徒の学習スタイルだと言えよう。逆に「まだそれやっているの。俺なんかとっくに終わらせてこの問題集やってるんだ」とほざく生徒の合格は遠い。